入社式社長あいさつ イノベーションの先頭に立つ人材に
公開日時 2019/04/02 03:51
製薬各社の入社式が4月1日に行われた。新入社員に対する大手・準大手の経営トップのあいさつでは、イノベーションの先頭に立ち、変革の担い手として期待する内容が目立った。
【武田薬品】クリストフ・ウェバー社長CEOは、「変革のスピードが加速し続ける中で、今、タケダは希望に満ち溢れている。私たちはイノベーションの先端に立ち、タケダだけではなく業界全体を変革したいと考えている」と述べ、協力を呼びかけた。
【第一三共】眞鍋淳社長は、2025年ビジョンのキーメッセージは「トランスフォーメーション」であると説明した上で、「多くの環境変化に遭遇すると思うが、変化をいち早く感じとり、次のアクションを考え、実行するなど、自ら『変革』『改善』することを是非心がけてほしい」と、変革を担うことに期待を寄せた。
【大塚ホールディングス】樋口達夫社長CEOは、「ヘルスケア分野では人口構造の変化、医療費高騰、 療費高騰、AI による技術革新など世界レベルの変化が次々と起きており、我々を取巻く地政学的な変動は一層強い動きを示している」と指摘。その上で「大塚だからできること、大塚にしかないを実践する」ことに向けて挑戦を求めた。
【エーザイ】内藤晴夫CEOは、「打って出る」姿勢を求めた。「今まで違うことをするには矛盾を恐れず、勇気を振り絞ることが必要だ。ビジネスには消化試合はない。目先のルーチンの業務についても手を抜かず真剣に取り組むことで、新しい取り組みに挑戦することができる」と述べ、日々の業務から革新を見出す努力をし続けることを求めた。
【中外製薬】小坂達朗社長CEOは、「革新的な医薬品とサービス」で世界の患者に貢献することがミッションであると強調。「イノベーションは、当社の最も重要なポイントといっても過言でない。創薬、開発、生産、営業、管理部門などあらゆる仕事でイノベーションを起こしてほしい」と呼びかけた。
コンプライアンス遵守の呼びかけも
【大日本住友製薬】野村博社長は、迎えた新入社員が中堅社員になる頃には「グローバルでキラリと光る製薬会社になることを目指す」と説明。そのため「当社の文化的なゲームチェンジャーになる」ことに期待を寄せた。失敗を恐れず挑戦すること、コンプライアンス遵守の姿勢も求めた。
【田辺三菱製薬】三津家正之社長は、「競争に勝ち切るために、私たちは競争相手を意識し、イノベーションを創出し続けることが必要だ」と述べ、ダイバーシティと専門性が原動力であるとした。さらに「今まさに医薬品業界の潮流が変わりつつある中で、必要なのは世界で戦える人材だ」と指摘した。
【協和発酵キリン】宮本昌志社長は、「今年はグループ全体で大きな変革の年になる。誰がその変革の役割を担うのか」と問いかけ、先輩だけでなく「皆さんの力を存分に発揮していただくこと期待している」と話した。その上で「経営理念の中でも『新しい価値の創造』が特に重要な意味を持つ」とし、それは「患者さんやそのご家族にとっての価値でなくてはならない」と説いた。
【塩野義製薬】手代木功社長は、「私達の共通の目的、常に人々健康を守るため最も良い薬を提供する、このことを達成するために知恵を出し、実行していく。フレッシュで新しい発想や考え方を持ち、今までのシオノギファミリーとは異なる新鮮さを持つ皆さんに大いに期待している」と話した。さらに「コンプライアンスの遵守」に触れ、「常に透明で誰から見れても恥ずしくない、と胸張っ言える行動、言動をすること」であるとした。
【小野薬品】相良暁社長は、「法令順守はもとより高い倫理観をもつこと、たゆまぬ挑戦をつづけること、患者さんにとってどうかという判断基準をもつこと」を求めた。その上で「企業理念である『病気と苦痛に対する人間の闘いのために』、革新的な医薬品を創出し、提供するという使命を共に果たしていこう」と呼びかけた。
※アステラス製薬と大正製薬は非開示。