シミックヘルスケア ソニーの電子お薬手帳harmoを承継 医療のデジタル化見据え
公開日時 2019/03/26 03:50
患者向けサービスを行うシミックヘルスケア(HC)は3月25日、ソニーが展開する電子お薬手帳「harmo」(ハルモ)の事業を承継すると発表した。6月1日に実施する予定。harmoは2016年に商用化され、約850薬局、80医療機関で導入、約30万人の患者が利用する。同事業を取り入れることで服薬継続支援などのサービス強化を図る。また、シミックグループとして、医療のデジタル化を見据え、harmoから得られる調剤データの活用による治験事業への応用や新たなヘルステックの開発に活かす考え。そのためシミックホールディングス(HD)は、ソニーからヘルスケア分野の課題解決に必要な技術支援を受ける契約も結んだ。
シミックHCは、harmo事業について吸収分割による事業承継契約をソニーと締結した。シミックによると、事業承継価格は100万円。ソニーは、利用者が増え、サービスの持続可能性を担保するための検討を進めていた。その中で、医療のデジタル化を見据えながら、患者向けのヘルスケアビジネスを積極的に進めるシミックHCに承継することが適切と判断した。
シミックHCは、「harmoでリアルタイムに管理できる調剤データを活用し、患者と密にコミュニケーションがとれる新しいデジタルチャネルとして、harmo事業の展開を加速させる予定」としている。シミックHDとしては、オンライン化、デジタル化が進む医療領域での活用も視野に入れるが、具体的な手法は今後検討する。
ソニーは、「事業承継後もharmoのシステム開発やサービス運用に携わってきた社員がシミックヘルスケアにて継続してharmo事業に参画すると共に、新たに締結した技術支援契約により、さらに質の高いサービス創出をサポートしていく」としている。
harmoは、基本的には患者が自分の専用カードを持つ仕組み。レセコンに入力した薬剤情報がクラウドに保存され、システム導入されている医療機関、薬局であれば情報を共有できる。スマートフォンアプリも併用することで、体調の変化、副作用とみられる症状なども記録できる。ソニーとしては薬剤師会など地域単位での導入を進めてきており、地域医療連携や蓄積した情報の統計化し医療費適正化への活用を提案してきた。