【World Topics】スマートな眠り
公開日時 2019/01/22 03:50
「眠り」は2019年もCESヘルスケア・セクションの重要課題のひとつだ。トレンドは睡眠の質の解析方法が進化するにつれ、良い睡眠を保証するための提案がより大規模な「トータル・ソリューション」の提供に進んでいることである。
例えば、睡眠の質の解析技術で業界をリードしてきたSleep Numberの2019年の提案は「This is not a bed(これはベッドではない)」。2階建ての展示会場の2階に設えられた寝室では、同社が全米プロフットボール・リーグに提供しているソリューションが体験できる。睡眠中のバイタルを精緻に採取し解析する、ベッドもベッドルームも超えた睡眠コントロール・センターとでもいうべきトータル・ソリューションだ。
Sleep Numberの大型ブースに隣接した小さな展示ブースでは、台湾のスタートアップDream Lightが、2018年のCESアジアでイノベーション賞を受賞した睡眠支援グッズを展示して人気を集めている。肌触りの良い軽い素材でできたアイマスクに、オレンジ色の点滅するライトを組み込み、高品質のスピーカーを埋め込んで音楽を流しつつ、同時に睡眠を誘導するプロの語りかけまで聞かせる仕組みである。2−3万円と手頃な価格も人気だ。
http://www.dreamlight.tech
温水装置を組み込んだアイマスクで「疲れた目を癒してください」と提案するのは、やはり台湾発のスタートアップAURAIである。マスクの中に入れた水を電気で温め・保温するので、電子レンジを使う従来型の製品や、使い捨てカイロ型アイマスクのように温度が下がってしまうことがなく、一定に保温できるのが特徴だ。目の疲れは現代人に共通の悩み。CES会場でも体験希望者が行列している。
http://i-aurai.com
ソリューションが大型化していく米国に対し、小さくてニッチな製品づくりを得意とする台湾のスタートアップの真骨頂発揮である。(医療ジャーナリスト 西村由美子)