ケアネット、T-ICU、ブイキューブ 「遠隔集中治療」ソリューションの全国展開で業務提携
公開日時 2018/07/18 03:50
ケアネット、T-ICU、ブイキューブの3社は7月17日、T-ICU社が提供している専門医による遠隔集中治療ソリューションを全国に広げるため、同日に業務提携契約を締結したと発表した。T-ICU社はこれまで、千葉県柏市内の病院に対し、試行的に遠隔集中治療を提供していた。今後はケアネットが医療機関向けセールス・マーケティングの側面から、ブイキューブは遠隔ビジュアルコミュニケーションシステムを活用したシステムの側面からサポートし、全国展開と早期普及を図る。
3社は、それぞれの強みを生かした協業体制で遠隔集中治療ソリューションを最大化するとした上で、「遠隔集中治療が発展・普及すれば、医療の地域格差は緩和され、より多くの重症患者さんを救うことにつながるのではと期待している」とコメントしている。
救急搬送後応急処置が行われて容体がいったん安定した患者や大手術後の患者など予後を管理する集中治療室は、全国に約1100室ある。このうち約300室には5~10人の集中治療専門医がいるが、残り800室には専門医が在籍していないという。集中治療専門医が約1500人と少ないことが理由とされる。
そこで、専門医が病院にいなくても、遠く離れていても、コミュニ―ションツールを使って「遠隔」で治療に関与することができないかと考えられたのが「遠隔集中治療」となる。
集中治療の診療に従事してきた中西智之医師がT-ICU社を2016年に設立した。中西氏は、集中治療専門医がチームとなって遠隔から24時間体制で生体情報(心電図、X線、採血データなど)を監視し、早期に的確な治療方針を提案することで、重症患者を急変させることなく予後の改善をサポートできるのではないかと考えたという。T-ICU社で活動している医療従事者は、集中治療専門医かつ救急科専門医が4人、集中治療専門医が3人、救急科専門医が6人、集中ケア認定看護師が1人――などとなっている。