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妊婦のSSRI服用 に警鐘

公開日時 2016/04/21 03:50

母親が妊娠中にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服用していた場合、生まれた子どもは15歳未満でうつ症状を発症する確率が高い。The Journal of American Academy of Child & Adolescent PsychiatryのOnline版に掲載された論文が米国で注目されている。

研究はフィンランドの1996年から2010年までのナショナルデータを使用し、妊婦を①うつ症状あり妊娠中もSSRI服用1万5,729人、②うつ症状あるも服薬せず9,651人、③うつ症状あるも妊娠中は服薬中止7,980人、④うつ症状も服薬もなし3万1,394人—の4群に分け、それぞれの群の妊婦から生まれた子どもを 出生から14歳まで追跡。子どものうつ(depression)、不安症(anxiety)、自閉症(autism)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の発症との関連を調査。稀少な長期間の追跡調査 である。

解析の結果、妊娠中にSSRIを服用していた女性から生まれた子どもの15歳未満での発症率は8.2%で、うつ症状があっても服薬しなかった女性の子どもの発症率1.9%、妊娠中服薬を中止した女性の子どもの発症率2.8%よりも有意に高かった(HR = 1.84; 95% CI = 1.14–2.97; p = .01)。ただし、自閉症やADHDとの相関は見いだされなかった。著者らはさらに精緻な比較研究によって本研究の結果が検証されるべきだとしている。米国では約6万5,000人の女性が妊娠中もSSRI服用を継続するか否かの意思決定を求められることになるとみられている。



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