英国製薬工業協会 英紙The GuardianとPR記事で提携
公開日時 2016/04/04 03:50
英国製薬工業協会(ABPI)が、英一般紙The GuardianとウェブサイトでのPR記事掲載についての提携を交わした。ABPIが、3月31日発表した。
提携内容は、ABPIが医薬品業界の社会への貢献や医薬品開発の経費の問題など業界が抱える課題についてThe Guardianの編集部に12本の記事を委託し、The Guardianのウェブサイト上の「Partners Zone」に掲載する。一方、The Guardianの記者は同ウェッブサイト上の医療従事者向けページ「Healthcare Professionals Network」に12本の記事を提供する。
今回の提携を受け、以下の記事が今後数週間以内に発表される予定である。
*ABPIのJohn Keaney会長による、医薬品業界は、医薬品部門での専門職を採用するのになぜ将来のアレクサンダー・フレミングあるいはルイ・パスツールを必要とするのかの解説
*画像を活用したABPIによる、医薬品は如何に健康に対して大きな望みを提供するかの解説
*The Guardian記者による、医薬品開発プロセスは業界のなかでどのようになっており、開発コストはどうなっているのかの解説
ABPIは、5月4日にThe Guardianの社内で医療従事者への金銭支払いの公開をテーマに討論会を行うが、このようなイベントの模様も掲載される予定。
米医薬専門誌「Fierce Pharma」(3月31日付)は、今回のABPIとThe Guardianの提携をやや驚きを持って迎えたことを報じた。同誌によると、The Guardianは従来から、医薬品企業のみならず大企業には批判的立場とっており、ビッグファーマに対しては、「ビッグファーマの超悪夢」、「医薬品企業の損失はアフリカの利益」、「ビッグファーマの特許と貧困者の健康への阻害」など派手な見出しによるネガティブキャンペーンが多かった。そのため、The Guardianは常にABPIを過剰に刺激していたようだ。
今回の提携は、ABPIにとっては、製薬業界の活動や社会的貢献についての啓発の機会が増えるだけにメリットは大きいといえる。一方、The Guardianが提携に踏み切った背景について、「Fierce Pharma」は、競合紙のThe Independentが印刷媒体部数減により、印刷媒体を廃止、ウェブ版のみの発行に踏み切ることを明らかにするなど、同紙を含め一般紙の部数減の傾向がとどまらないことがあることを指摘している。そのため、The Guardianは、ウェブ版での広告収入増を狙っているという。