【World Topics】ED対策に効くダイエット
公開日時 2016/02/10 03:50
米国でテレビを見ていると、 糖尿病や関節痛の薬と同じくらいの頻度でバイアグラの宣伝が流れ、その都度、男性のEDはここまで深刻な問題なのかと認識させられる。実際、米国ではEDは医学や薬学の範囲を超えて極めて幅広い研究課題となっている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
最近のThe American Journal of Clinical Nutrition誌に、EDは食行動と深く関連しているという研究結果が掲載され、話題になっている。野菜や果物を多く摂取し、お茶やワインを飲む男性は、そうでない男性に比してED問題を抱える割合が低いというのである。
件の研究は、同誌オンライン版1月13日の論文”Dietary flavonoid intake and incidence od=f erectile dysfunction”(ajcn.115.122010) 。 2万5096人の男性を 10年間にわたって追跡した実証研究である。
http://creativecommons.org/licenses/by/3.0/
研究では、同一の対象グループに4年間隔で食行動に関する詳細な質問紙調査を繰り返し、 調査に基づいて個々人のフラボノイド摂取総量を計算。また対象者は2000年、04年、08年には性交渉可能な状態まで勃起できるかどうかを問う質問にも回答。また1986年に関しての回顧的な回答も求められた。
対象者中に2000年時点でEDを訴えたものはいなかったが、最終調査では対象者の35.6%がEDであった。
研究では、食行動とEDの関連を身体活動、アルコール摂取状況、高血圧や糖尿病の有無などの諸条件をコントロールした上で精緻に解析した結果、フラボノイドを多く摂取している男性は、そうでない男性に比して、ED となるリスクが11~16%低いことが明らかになったという。研究は大規模で且つ長期にわたるものであり、結果の信頼性は高いと言えるが、食行動とEDの関係の機序の解明はなお今後の課題である。