イワキ 子会社ホクヤクの元役員を懲戒解雇へ 1億円超着服で 経理を実質1人で担当
公開日時 2016/01/15 03:50
医薬品卸のイワキは1月13日、連結子会社ホクヤクで経理業務などを担当していた元役員がホクヤクの預金口座から総額1億2600万円を着服していた不正行為に関する調査結果を発表した。不正行為は10年以上の長期にわたるものだったが、この間にこの不正が発覚しなかった理由として、「元役員がホクヤクの主要な経理業務を実質的に1人で担っていた」ことを指摘した。このため再発防止策のトップに、「特定の業務に関して複数者間での内部牽制が実効的に働く組織体制を構築するとともに、人員配置を見直す」ことを掲げた。親会社による子会社のモニタリングや管理・監査機能なども強化する。
同じような不正行為が全ての連結子会社にあったかどうかも調査・確認したところ、「同種の不正行為は確認されなかった」としている。
元役員は近日中に懲戒解雇し、刑事告訴などの法的措置を行う予定。また、経営責任を明確にするため、16年1月分から役員報酬を返上することも決め、イワキの岩城修・代表取締役社長は月額報酬の20%を自主返上(2か月)する。同社取締役副社長とホクヤク担当の常務取締役は同10%を自主返上(同)する。ホクヤクの代表取締役は同20%を自主返上(3か月)する。
元役員は着服金を、パチンコなどの遊興費、クレジットカードでの買い物代金の支払い及びキャッシング、消費者金融からの借入金返済などに費消した。