アドレナリンの濃度間違いで注意喚起 250倍濃度で投与も
公開日時 2015/11/18 03:52
日本医療機能評価機構は11月16日、注意が必要な医療ミスを定期的に取り上げる「医療安全情報」で、アドレナリンの濃度間違い投与について注意喚起した。2012年1月から15年9月30日までに6件報告され、約33倍~最大250倍の濃度で注射され、患者には頻脈、高血圧、心室細動が現れたケースもみられたという。外用目的の院内製剤を注射したケースが4件あり、ミスがあった医療機関では、ラベルに「禁注射」と表示する対策が取られたことを紹介した。
「医療安全情報No.108」で取り上げられたもの。その中の事例によると、医師がアドレナリン50万倍希釈液(0.0002%ボスミン)を皮下注射するつもりで、手術前、医師は看護師に「ボスミン生食をください」と指示したのに対し、看護師は、院内製剤の0.05%ボスミン液(アドレナリン2,000倍希釈)を準備。医師が手術部位に計60mLを皮下注射したところ、頻脈・高血圧が出現し、心室細動となったという。看護師は「0.05%ですか」と医師に確認したものの、詳細を確認せず「うん?うん」と返答があり、また、看護師も0.05%ボスミン液が外用目的の製剤だと知らなかったという。