経腸栄養剤 アドヒアランス向上のカギは「味」 QLifeの薬剤師調査で
公開日時 2015/07/27 03:50
医療情報サイトの運営など行うQLifeは7月24日、薬剤師を対象にした経腸栄養剤(半消化態栄養剤)のアドヒアランスに関する調査の結果を発表し、向上させるカギは味にあることが分かった。250人が回答し、アドヒアランス向上に、同剤の味の良さが役立つとした薬剤師は87.6%、味の種類が多いことについては56.4%の薬剤師が挙げ、77.2%が味の種類について情報提供した経験があった。実際、患者から味の指定を受けたことがある薬剤師は84.8%に上った。
経腸栄養剤は、固形物の食事ができない場合に、経口で飲むことにも用いられる。調査では経管のみの経験は4人しかいなかった。
調査を監修した日本在宅薬学会理事長などを務める狭間研至氏は、調査結果にコメントを寄せ「味が選べることは、そのまま患者さん自身がチーム医療の一員として積極的に治療に参加することにつながる。患者さんの治療意欲が上がれば、経腸栄養剤だけでなく、治療中の疾患の服薬アドヒアランスも向上するのは明らか」と指摘。さらに「患者さんの日々の生活の変化を感じ取り、必要があれば医師にフィードバックを行う。それを実践することで、患者さんに“単に薬だけを渡す”薬剤師から、患者さんに“薬とともに健康を渡す”薬剤師にステップアップできると思う」と、アドヒアランス向上における薬剤師の役割に期待を寄せた。