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マラリア撲滅新戦略に合意:WHA会合

公開日時 2015/05/27 03:50

世界保健機関(WHO)加盟国の代表が出席する、WHOの最高意思決定機関である世界保健総会(WHA)第68回会合が、5月18日-26日にスイスのジュネーブで開催され、20日には、2016年から2013年までの新たな国際的なマラリア撲滅新戦略に合意した。


新戦略では、世界におけるマラリアの疾患としての負担を2020年までに40%、2030年までに少なくとも90%減少させるという意欲的な内容だ。同時に、2030年までには、新たに35か国でマラリアの完全撲滅を目指す。


世界のマラリアによる死亡率は、2000年から2013年までに47%減少した。その理由として、WHOが推奨するマラリア撲滅パッケージ(媒介生物である蚊のコントロール、予防薬、診断・治療)が費用対効果を持ち、効率的だったことが上げられている。しかし、未だ、数百万人が予防法や治療にアクセスできず、多数の症例や死亡例が未登録であるばかりでなく報告さえもされていない。2013年には、マラリアで58万4000人が死亡したと推定される。


今回の新戦略では、劇的にマラリアでの死亡数を減少させるための近年の成功例をベースに流行国や関連国と相談しながら、マラリア撲滅に向けての進展を加速させるような、流行国にマッチさせた計画の策定を目的とした包括的な枠組みを構築することを決めた。


新戦略は以下の3つを骨格としている。①マラリア予防・診断・治療へのアクセスの確保、②マラリア撲滅・マラリアフリー状態へ向けての努力、③マラリア・サーベイランスの強化-である。これらを達成するためには、イノベーションと研究の重要性、政治的関与の必要性、持続的な財政支援、強固な医療保険制度の構築および社会各分野の協力などが強調されている。


また、WHA会合では、2016年-2017年度予算案について、2015年‐2016年度予算比2億3600万ドル増の43億8490万ドルを了承した。2016年‐2017年度予算では、エボラ出血熱の発生、抗菌剤耐性菌の蔓延、マラリアやウイルス性肝炎の流行などを踏まえ、予算が編成された。なお、WHOの予算は2年制で編成されることになっている。

 

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