動画はyoutubeにリンクしています
キャスター・望月
ミクスOnlineでは、毎月1回、ミクス編集部の取材をベースとした時局解説を動画で行います。第1回では、「医師の行動、考え方」にフォーカスしてみました。
調査は、医師525人を対象にミクス編集部とエムスリー社の協力で「医師が求めるMR調査」を実施しました。
1位はジェネリックの浸透、2位は、昨年改定がありました診療報酬改定の影響、3位に「患者の高齢化」という結果になっています。
解説・沼田編集長
ジェネリックの浸透については、国の目標である数量シェア60%目標が大きく影響しているようです。
昨年はディオバンやブロプレスといった市場性の高い降圧薬の特許が切れ、そこに複数のジェネリックが市場参入したことが大きな影響を与えていると思われます。
2番目の診療報酬改定もジェネリックの使用促進に関連すると思います。DPC病院では機能調整係数Ⅱが導入され、調剤薬局に後発品使用体制加算が導入されたことで、医師の医薬品の使い方に変化が見られています。
3番目の患者の高齢化にも注目したいですね。高齢者の場合、複数の疾患を合併しているケースが多いのですが、その際に処方する医薬品についても、患者さんの経済状況などに見合うような処方設計なども求められていますね。
医師の処方についても、このような外的環境が影響しはじめているのだと思います。
キャスター・望月
次に、もうひとつデータを紹介したいと思います。医師が実際に誰と連携しているか、ということです。
1位は病院勤務医、2位は開業医とここまでは皆さん予想通りなのではないかと思うのですが、注目は3位にケアマネージャー、4位にソーシャルワーカーが入っている点です。これまでの医師、薬剤師、看護師といった医療職種だけでなく、ケアマネージャー、ソーシャルワーカー、訪問看護師などがランクしてきています。
厚生労働省も一昨年の社会保障・税の一体改革で提言された、医療と介護の一体改革を進めています。すでにデータからは、医師が介護職との連携に動き出したとも見えます。
解説・沼田編集長
患者さんの高齢化に加えて、厚労省による医療政策の変化が患者の受療行動にも変化を及ぼしているようです。
国は2015年から地域包括ケアを実現するための「地域医療ビジョン」を都道府県ごとに策定するための議論を開始します。いままでの施設完結型から地域完結型の医療を目指す方針で、今後は在宅医療や介護との連携が求められようとしています。
その意味で、今回の調査結果にあるように、医師が介護職との連携に目を向け出していることは大きな意味があるのではないかと思います。
今後の見通しですが、2015年に地域医療ビジョンをめぐる議論が2年計画でスタートします。一方で診療報酬も2016年と18年に改定が予定されており、17年の消費税改定を挟んで3年連続で薬価・診療報酬改定が行われます。
製薬企業にとっても、この3年連続改定は経営に大きな影響を及ぼすと見られますが、一方で医療提供体制もこの間に大きく変わりますので、これからのMR活動を考えるにあたり、この医療環境の大改革の流れを見据えた取り組みが製薬企業にも求められるのではないでしょうか。
キャスター・望月
今日は、医師の行動に着目して番組をお届けしました。是非、日ごろの活動に活かしていただければ幸いです。また来月、この番組でお会いいたしましょう!
ミクスOnlineでは、毎月1回、ミクス編集部の取材をベースとした時局解説を動画で行います。 |