がんに罹り易いのは、ヒトが進化した代償だった
公開日時 2014/12/27 00:00
情熱的読書人間榎戸誠がんに罹り易いヒトヒトとチンパンジーの遺伝子は1%しか違わない。チンパンジーががんで死亡する割合が2%なのに対し、ヒトは30%ががんで死亡する。このようにヒトががんに罹り易いのは、ヒトが進化した代償だと、『病の起源がんと脳卒中』(NHK取材班著、宝島社)は結論づけている。ドクターのみならずMRも、この「進化医学」の立場からの仮説に無関心ではいられないだろう。がんと進化の関係700万年前に共通祖先からヒトとチンパンジーが分岐した。ヒトは直立二足歩行を始めたことで手が自由に使えるようになり、オスは交尾と引き換えに、メスに多くの食料を運ぶことができるようになった。メスはオスに積極的に食料を運ばせるため、チンパンジーのような交尾可能を意味する繁殖期のサインを示さなくなった。交尾の...