MRI室に医療者が金属製品持ち込みで16件の事故 日本医療機能評価機構が注意喚起
公開日時 2014/09/24 03:50
日本医療機能評価機構はこのほど、2007年以降7年でMRI検査室で持ち込み厳禁となっている酸素ボンベなど金属製品などを持ち込み、MRIに吸着される事故が20件確認されているとして、「医療安全情報No.94」で医療従事者に注意を呼びかけた。事故のうち16件が医療関係者による持ち込みという。
MRIは強力な磁場が発生するため、金属製品は離れたところからでも吸着される。米国では酸素ボンベが飛び、患者に当たり死亡事故も起きている。患者に危険性があるだけでなく、高額なMRIを損傷させるおそれもある。
安全情報によると、最も多い持ち込みは酸素ボンベの5件で、次いで輸液・シリンジポンプ2件。シリンジポンプの事故は、投与していたヘパリンをMRI検査中も継続投与するよう医師から指示があり、看護師が持ち込み禁忌であることを知りながら、機器に近づけなければ大丈夫と思い、患者を車いすで入室させたところで、ポンプが一気に吸着した。他には医師が日常のトレーニングのために足に装着していたアンクルウェイトが吸着した例も2件あった。
患者が持ち込んだものとしては、義歯、ボタン型電池、携帯電話、補聴器だった。
対策として、検査室に金属を持ち込ませない仕組みを指摘し、金属探知機の導入やMRI対応型の機器の使用を促している。