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米国の感染症問題

公開日時 2014/09/10 03:50

エボラ出血熱の感染被害が深刻化している。感染が疑われるケース1779人、死者961人、ラボで感染が確定されたケースが1134人(米国CDC8月8日発表)で、米国でも感染地域から帰国した医師1名が亡くなっており、グローバライゼーションの進展にともない、感染症も地球規模で拡大しうる現実が如実に示されている。CDCは専用の情報提供ページを設け、ほぼ連日ニュースレターを配信している。(医療ジャーナリスト 西村由美子)


http://www.cdc.gov/vhf/ebola/
 


最近はウェストナイル熱、デング熱などの拡大も懸念されている。世界で毎年4億人が感染・発症するデング熱は米領プエルトリコでも深刻な問題。2013年には7,221人が発症している。が、患者数が増加傾向にあるとはいえ(2013年は21人)米国内はまだデング熱の感染地域とは考えられておらず、それだけに昨年11月にニューヨーク州在住の男性が米国内でデング熱に感染したと発表されたときには大きな話題となった。


一方、感染しても自覚症状がない場合も多いと言われるウェストナイル熱だが、調査では米国内の感染地域は徐々に広がっており、今年認定された患者だけで8月までですでに82人である。アウトドアシーズンの夏、CDCは蚊にさされないよう注意をよびかけており、戸外では①長袖・長ズボンを着用し、②衣服に覆われていない皮膚には虫除けスプレー等を使用し、③蚊の活動が活発になる夜明けや日の入りの時間帯には屋内にとどまるよう、また④窓やドアには網戸を装備するようにと呼びかけている。ウェストナイル熱の感染地域は下記サイトの米国地図に詳しい。


http://diseasemaps.usgs.gov/wnv_us_human.html
 


予防接種の普及でほぼ撲滅されたと考えられていた感染症の再来も懸念されている。現在もっとも心配されているのが百日咳だ。米国内で大きな問題となったのは2012年で、この年の年間患者数は48,227人(うち小児20人が死亡)であったが、CDCによる予防キャンペーンにより予防接種の普及啓発が進み、2013年からは全国統計の数値は減少に転じている(2013年の症例総数24,231、2014年6月末までの症例総数9,962)。だが、州別に詳細をみると、発症数がなお増加中の州もあり(カリフォルニア州もそのひとつ)状況は予断を許さない。


http://www.cdc.gov/pertussis/images/pertussis-graph-2014-lg.jpg
 
 

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