やり直し薬剤経済学(7)~マルコフモデル
公開日時 2014/03/31 00:00
クレコンリサーチアンドコンサルティング株式会社医療アセスメント研究部小林慎薬剤経済学でよく利用されるモデルの中から、前回はディシジョンツリーを紹介しました。今回は慢性疾患によく使われるマルコフモデルを紹介します。1.ディシジョンツリーで長期予後推計?ディシジョンツリーは比較的短期間における患者の予後をモデル化するときによく使われます。図1に、高脂血症患者に対して薬剤A、薬剤Bを用いた場合の1年後の予後に関する架空のディシジョンツリーを示しました。このディシジョンツリーでは、アウトカムを生命予後で評価し、ペイオフ値を生存なら1、死亡なら0として設定しています。ディシジョンツリーの計算方法は前回紹介したので今回は省略しますが、薬剤A、薬剤Bのペイオフ値の期待値(期待生存率となります)を計算すると...