14年の大型新薬に糖尿病SGLT2阻害薬や前立腺がん薬 インターフェロンフリーのC肝薬も登場
公開日時 2014/01/06 03:50
ミクス編集部は、独自に新薬パイプラインリスト(2014年1月改訂版)を作成し、14年に承認・発売が見込まれる新薬を分析した。その結果、治療体系を変え得る市場規模の大きい注目新薬として、2型糖尿病のSGLT2阻害薬6成分や前立腺がんの抗アンドロゲン剤2成分(エンザルタミド、アビラテロン)など12プロジェクトがリストアップされた。SGLT2阻害薬では、イプラグリフロジンがすでに薬食審を通過済みで、上半期も登場する見込みだ。また、イプラグリフロジンと同時期に4成分が申請されており、複数成分が同薬に続く可能性もある。いずれも共同販促または共同販売体制が取られるため、6成分が出揃えば12社による激戦市場となる。
パイプライン調査では、新規有効成分や適応症の追加など申請中の58プロジェクトを市場規模と新薬の特徴(革新性が高い/治療満足度を向上させる)から4つのカテゴリーに分類した。
最もプロジェクトが多かったのは、市場規模150億円未満のニッチ・スペシャリティ領域に投入される革新的新薬で、29あった。この中にはC型肝炎治療薬で初のインターフェロンフリーレジメンが可能となる経口併用薬(ダクラタスビル、アスナプレビル)、骨髄線維症の経口治療薬、多発性硬化症治療薬などが含まれる。
このほか、治療満足度を向上させる新薬カテゴリーには17プロジェクトが該当。このうち、市場規模150億円超が見込まれる大型新薬に9プロジェクトが挙がり、ARBを含む配合剤や抗血小板薬の後続新薬が注目された。
抗血小板療法は、現在、アスピリン単独またはアスピリンとクロピドグレルの併用療法が浸透しているが、ここにプラスグレル(第一三共)とチカグレロル(アストラゼネカ)が加わり、新たな競合の時代へと突入する。一方、ARBを含む配合剤は、06年に発売されたプレミネント以降続々と登場し、すでに激戦市場を形成している。現在、アジルサルタンとCa拮抗薬の配合剤が申請中であるが、アジルサルタンはARB7成分目として最後に登場した。これ以降のARB関連のパイプラインはないことから、ARBの開発は年内にも最終局面を迎えることになりそうだ。
詳細はMonthlyミクス1月号のPromotion「2014年の新薬展望 沸騰市場SGLT2 ARB以上のパワーゲームに」に掲載している。