AbbVie 循環器領域の営業要員削減の見通し 数百人規模か Bloomberg報じる
公開日時 2013/04/18 05:00
Bloombergは4月17日、アボットから分社化されたAbbVieが循環器疾患関連治療薬の営業要員を削減する見通しであると報じた。同社が有する脂質異常症治療薬・トリコール/トリリピックス(一般名・フェノフィブラート)や同じく脂質異常症に関連するナイアシンの徐放製剤でHDL上昇薬・ナイアスパンが米国で特許失効となることに伴う措置とBloombergは報じている。
削減数については正社員と契約社員も含めて数百人規模としているが、正確な人数についてAbbVie側はコメントしていない。
トリコールの2012年通期売上高は、現在のAbbVieのトップ商品であるヒュミラに次ぐ13億9000万ドル。同社が有するブロックバスター4製品の1つだが、昨年11月に米国で特許が失効して既に後発品との競合に突入しており、12年通期でも前期比17.2%減となっていた。また、ナイアスパンについては13年中に特許失効の見通し。12年通期売上高は9億1100万ドルで前期比6.7%減。
同社の最高財務責任者(CFO)のウィリアム・チェイス氏は既に1月段階で両薬の13年売上については12年に比べ半減以下になるだろうとの見通しを既に明らかにしており、この場合、年間で10億ドルを超える売上喪失になる見通し。
一方、3月に米国のサンフランシスコで開催されたアメリカ心臓学会(ACC)では、標準的なLDLコレステロール低下治療にナイアシンと同薬の副作用を防止するラロピプラントの合剤を上乗せして心血管疾患予防効果を検討したプラセボ対照大規模臨床試験「HPS2-THRIVE」で、ナイアシン上乗せで有意な心血管疾患予防効果は認められず、逆に有害事象が増加するという結果が報告されたばかり。このことからナイアスパンについては特許失効以外の売上減の可能性も指摘されている。