抗がん剤の副作用で患者3人に1人以上「治療をやめたい」 主治医・看護師に相談
公開日時 2013/04/03 04:01
医療関係の検索サイトを運営するQLife(キューライフ)社はこのほど、がん患者2249人を対象に「抗がん剤の副作用とその軽減方法に関する大規模患者調査」を実施した。その結果、抗がん剤で副作用を経験した854人のうち「治療をやめたい」と考えた患者が36.9%に上ることがわかった。また、副作用経験者のうち副作用への薬剤が処方されたのは半数程度にとどまり、その効果も限定的で、がん患者への副作用軽減に高いアンメットニーズがあることが明らかになった。
調査はインターネットで2013年2月22日から3月3日に実施した。対象は、医療機関で「がん」と診断され、かつ医療機関受診経験のある患者で、有効回答数は2249人(男性1294人、女性955人)。50歳代が最も多く、40~60歳代が8割弱を占めた。
抗がん剤の治療経験が「ある」と回答したのは回答者の43.1%(969人)で、このうち副作用の経験者は854人(88.1%)だった。この854人に「抗がん剤の使用をやめたいと考えたことがある」かどうか問うと、36.9%(315人)は「ある」と回答。そのうち医師に相談したのは279人(88.6%)で、「使用を一時中断」(31.5%)、「量を減らした」(17.6%)、「種類を変更」(12.5%)と6割には副作用への対策が講じられていたが、「変わらずに使用を継続」された患者も38.4%いた。
副作用の経験者では、主治医以外にも看護師(42.0%)、家族(29.5%)、主治医以外の医師(23.5%)、薬剤師(19.4%)に相談していた。インターネットサイトも活用されており、副作用に関連するホームページを33.6%が調べており、同じ副作用に悩む患者の闘病記サイトも26.7%が閲覧していた。
副作用を軽減する薬剤が処方されたかどうか問うと、「はい」の回答は54.0%(461人)。薬剤が処方された患者に効果を問うと「完全になくなった」「ほとんどなくなった」は15%にとどまり、「やや軽減された」44.7%、「あまり変わらなかった」38.8%と、多くの場合で効果が限定的であった。
副作用経験者に「抗がん剤に期待すること」を問うと、「更なる副作用がない」が68.1%で最も多く、がんの副作用を経験した患者では効果とともに副作用の対策にも高いニーズがあることが明らかになった。