ノバルティス トービイ吸入液発売 国内患者数15人の呼吸器疾患治療
公開日時 2013/01/11 04:01
ノバルティス ファーマは1月9日、嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染症の治療薬としてトービイ吸入液300mg(一般名:トブラマイシン)を発売したと発表した。嚢胞性線維症(cystic fibrosis:CF)は、遺伝子変異が原因で膵や気道の分泌腺が機能不全をきたし、消化器障害や呼吸器症状を引き起こす難治性の遺伝性疾患で、国内推定患者数は15人という。
同剤は、アミノグリコシド系抗生物質であるトブラマイシンの吸入用製剤で、ネブライザーとコンプレッサーを用いて1日2回(1回300mg)、28日間噴霧吸入し、その後28日間の休薬を1サイクルとして投与を繰り返す。これまでの静脈注射だったが、この製剤の登場で自宅療法が可能になる。吸入療法は、WHOや欧米のガイドラインなどで標準的な治療法として位置付けられているという。
同剤は10年5月に厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が指摘され、厚労省が開発要請していた医薬品。同社は11年8月に承認申請していた。
薬価(1管):300mg8633.80円