ギリアド・サイエンシズ YM BioSciencesの買収を発表
公開日時 2012/12/17 04:00
ギリアド・サイエンシズは12月12日、ニューヨーク証券取引所上場のバイオベンチャー・YM BioSciences(本社:カナダ・オンタリオ州ミシサガ、Nick Glover社長兼最高経営責任者)の株式1株当たり2.95ドル、総額約5億1000万ドルで現金買収すると発表した。買収は2013年第1四半期までに完了予定。
YM BioSciencesは現在、非受容体型チロシンキナーゼの1つであるヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーのJAK1、JAK2を選択的に阻害する1日1回投与のCYT387を開発中。CYT387は先頃、難病の骨髄線維症の166例を対象にしたフェーズ1/2で良好な成績を収めており、ギリアドは2013年第2四半期にはフェーズ3を開始したいとの意向を示している。骨髄線維症は骨髄が線維化し正常な造血が障害される血液疾患で、アメリカでの年間発症は10万人あたり1人とされている。日本国内では厚生労働省の特定疾患に指定されている。
今回の買収についてギリアドの研究開発担当上級副社長兼最高科学責任者のNorbert W. Bischofberger氏は「今回の買収は当社の血液がん領域の臨床開発を補完するもの。最新のCYT387の有望なフェーズ2の結果からは、骨髄線維症の患者の貧血に伴う輸血頻度を減少させるなどのメリットが期待できる。我々はなるべく早期にフェーズ3を開始するとともに、アンメットメディカルニーズがある他の骨髄増殖性疾患への応用も検討する」と言及している。