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サノフィパスツール・トリオンフ社長 不活化ポリオワクチンの価格問題で「変えるつもりはない」

公開日時 2012/08/03 04:02

 
サノフィパスツールのトマ・トリオンフ社長は、同社が開いた国内初承認の不活化ポリオワクチン「イモバックス」の記者発表会で、同剤の価格が高いと指摘されている問題について、「価格設定はリーゾナブルなものと考えている。(供給開始前に価格を)変えるつもりはない」との見解を示した。同剤の価格をめぐっては、日本医師会と厚労省が製造販売元のサノフィパスツールに対し、値下げ要請を行った経緯がある。

 

イモバックスの希望小売価格は5450円。トリオンフ社長は「当社は価格を設定するにあたり、十分な検討と審議をして決定した。考慮した条件は2つあり、ワクチンを作るにあたり生産施設などへの投資、そして単剤の不活化ポリオワクチンの使用は限定的なものであるという点」と述べたうえで、「この2つの条件はいまでも変わっておらず、価格を変更することにはならない」と話した。
 

 

同剤の臨床上の意義については「本剤はキャッチアップ(不活化ポリオワクチン導入まで接種を控えている子供への提供)が大きな使命。製品の生命はその役割を終えると、(国内で11月目途に国内導入予定の)小児用4種混合ワクチン(百日咳、破傷風、ジフテリア、不活化ポリオワクチン)に切り替わっていく」と話した。
 

 

イモバックスはポリオウイルス(1型、2型、3型)が中枢神経に感染することで引き起こされる急性ウイルス感染症(小児麻痺とも呼ばれる)の予防ワクチン。単独の不活化ポリオワクチンとして、国内で9月1日から定期接種に導入される。それにより、従来、定期接種に用いられていた生ポリオワクチンから一斉に切り替えられ、9月以降は生ポリオワクチンは使用されなくなる。
 

 

従来の生ポリオワクチンが経口投与で、ごく稀(1人/200万回接種)にワクチン関連麻痺が発症し問題となっていたのに対し、イモバックスは皮下注射剤で、ワクチン関連麻痺はないとされる。

厚労省の資料によると、11年度に生ポリオワクチンの接種対象年齢に達しているが、接種を終了していない小児は約27.3万人とされる。生ポリオワクチンを危険と感じ、不活化ポリオワクチン導入まで待つ小児は増え、保護者から迅速な導入を希望するという声は高まっていた。

 

 

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