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偽造ED治療薬 ネット購入者の9割「自分のは本物」 啓発必要と4社

公開日時 2011/07/04 04:00

ED(勃起不全)治療薬を日本で製造販売している製薬企業4社が合同でED治療薬の偽造品問題に関する意識調査を行ったところ、ED治療薬をネットで購入している人のほぼ全員がED治療薬の偽造品がネットで出回っているとの認識を示す一方で、自分の購入したED治療薬は本物だと思う人も9割近くにのぼることがわかった。ED治療薬の購入・服用には医師の診断が必要だが、ネット購入者の「自分だけは大丈夫」という甘い認識が浮き彫りになった。

調査はファイザー、バイエル薬品、日本新薬、日本イーライリリーの4社が合同で実施した。調査対象者は10年7月以降に医療機関かネットでED治療薬を購入したことのある30歳以上の男性564人。内訳は医療機関受診者が288人、ネット購入者が276人。調査期間は11年2月25日~3月2日。

ネット上にED治療薬の偽造品が出回っていると思うかと聞いたところ、「はい」との回答は医療機関受診者で97.2%、ネット購入者で97.5%にのぼった。ネットで出回っているED治療薬の半数以上が偽造品だと考えている人の割合は、医療機関受診者で73.6%だった一方で、ネット購入者は52.5%にとどまり、認識に差がみられた。

◎ネット購入者 副作用症状あっても1人も受診せず

次にネット購入者に対して、偽造品と本物の区別がつくかどうかを聞いたところ、75.4%が「区別できない」と回答した。それでも「自分がネットで購入したED治療薬は本物」と思う人は87.7%にのぼったほか、偽造品による健康リスクも半数以上の人が十分自覚していないこともわかった。さらにネット購入者のうち42.8%が頭痛やほてり、目の違和感などの副作用症状を経験していたが、副作用症状後に医療機関を受診した人はゼロで、「ほっておいた」人が9割以上。副作用症状が出た後も約7割の人が同じウェブサイトで購入していた。

調査結果について昭和大学藤が丘病院泌尿器科の佐々木春明准教授は、日常診療におけるED治療薬による副作用発現頻度は「20%程度で軽微」と紹介したうえで、「今回の調査では、通常我々が経験する以上の頻度で副作用が報告されている」と説明。さらに「(偽造品には)何が含まれているかわからない物質を服用することで引き起こされた健康被害は対処方法がわからないまま重大な事態を引き起こし、場合によっては死に至る可能性を含んでいる」とネット購入による危険性を訴え、必ず受診して症状にあったED治療を受けるよう強調した。

今回の製薬4社が2008年に、ネットを通じて売買されているED治療薬のうちどの程度が偽造品かを合同調査したところ、偽造品は55.4%にのぼり、調査国別では日本が43.6%、タイが67.8%との結果だった。ED治療薬をネット購入する背景には手軽、安価、受診に伴う羞恥心などが指摘されている。製薬4社は今回の調査結果も受けて、偽造品の注意喚起ポスターの作成と医療機関への配布などを行い、これまで以上に啓発活動に取り組むとしている。

 

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