パーキンソン病患者における微小担体に固定した網膜色素上皮の線条体内移植と偽手術
公開日時 2011/05/29 22:59
本試験は、ヒト網膜色素上皮(RPE)細胞がレボドパを産生し、それを線条体に移植することで経口剤での服用の持続性を改善させる可能性があるため、進行パーキンソン病患者で微小担体(マイクロキャリアー)に固定したRPE細胞を線条体に移植する施術の安全性・忍容性・有用性を無作為化二重盲検偽手術(sham surgery)対照比較試験により評価する。
被験者は36-74歳。少なくとも5年以上パーキンソン病の症状があり、HoehnおよびYahr ステージ3-4また薬剤を服用しない場合にパーキンソン病統一スケール(UPDRS)の運動スケールで38-70の患者。
結果は、71人が登録、35人が移植手術群、36人が偽手術群。運動スケールでは両群間に有意差はなかった。副作用発生率は、移植群で数は多かったものの同程度だった。移植群では7人、偽手術群では2人が死亡した。移植群の1人の死因は手術あるいはRPE細胞に関連する可能性がある。
Lancet Vol.10 June 2011