新薬創出加算とメディカル・ツーリズム
公開日時 2010/07/29 00:00
グローバル戦略で通底する2つの政策今年度から薬価制度に導入された「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」(以後、新薬創出加算)が、6月半ば頃から、医薬品流通の現場でトラブルとなるケースが増えている。主に民間病院を中心に、新薬創出加算を理由とした薬剤価格の硬直化が進み、病院経営収支に与える影響への心配が表出してきたのが主な要因。背景には、新制度に対する漠然とした不信、メーカー、卸の説明の不透明感があるのは間違いないが、病院・卸の価格交渉が本格化するのは早くて9月と見込まれる。現段階では、新制度が及ぼす医薬品流通の変革への疑心暗鬼というところか。実際、西日本の中堅病院グループの価格交渉担当者は、「薬剤は病院経営原資として、まだまだ無視することのできないウェイトを占める。我々が新薬創出加算に対して強い...