米製薬企業・患者、治験薬アクセスの拡大でメリット享受
公開日時 2010/06/22 04:00
米国では、治験薬へのアクセスの拡大が続き、患者、製薬企業とも「Win-Win」をもたらす状況となりつつある。その理由として、▽患者が治験情報を入手しやすくなったこと、メディアが治療薬を服用した経験談を報道すること、▽オーファン薬の開発の活発化、同市場の拡大、▽FDAが現在進行中の治験に参加できない患者のため、製薬企業向けに治験薬アクセス・ガイダンスを発表したこと――が上げられている。
このうち治験薬アクセス・ガイダンスに関しては、FDAは製薬企業がコンパショネート・ユースを含め、治験薬早期アクセスプログラム申請を奨励する立場を明らかにし、従来治験薬にアクセスできなかった患者に治験薬の使用を可能にした。従来のアクセスプログラムは、抗HIV/AIDS薬など特殊な薬剤だったが、それが生命を脅かす代替薬のない分野に拡大されてきた。
未承認薬は広告不可、販促不可だが、アクセスプログラムの拡大は市場に当該薬市場で一定の基盤を築くことになる。抗HIV/AIDS薬は承認前に患者の間で馴染みの薬剤となり販促なくして販促の結果を生んだ。FDAは、「それは副次的なこと。治験薬アクセスの本来のベネフィットは承認されるまでの橋をかけることにある」とコメントしている。
(The Pink Sheet 6月7日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから