メルクセローノは、2014年までに日本国内スタッフを現在の300人から450人にまで増員する方針だ。臨床研究職に加えて、現在120人のMRを最大170人体制まで拡充する。今後承認が見込まれる頭頸部扁平上皮がんなどの治療領域を担当するMRを重点的に増やしたい考え。ウェイン・パタソン社長が5月26日に東京都内で開催したメルクプレスランチョンで明らかにした。
スタッフ増強の背景には、約30の臨床開発プロジェクトを含む新薬の開発パイプラインがある。▽がん▽神経変性疾患(多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病)▽自己免疫および炎症性疾患▽不妊治療▽内分泌――のアンメット・メディカルニーズ領域の新薬創出に注力する。
ウェイン・パタソン社長は日本市場での今後の展開について、「価値のある画期的な新薬を創出することで、新薬創出加算の適応となる」と説明。アービタックス(一般名:セツキシマブ)をはじめ成長戦略品の多くが適応拡大または新薬上市の見通しがあると強調した。
領域別の伸び率についても、がん領域で10~25%、内分泌領域で10~15%の確保を目指すとし、「日本の医薬品市場の成長率をいずれも上回る成長を確保したい」との意気込みを示した。