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メーカーの公競規違反 09年度急増の17件 不当な接待など

公開日時 2010/05/21 04:01

医薬品取引を誘因するためメーカーから医師らに景品や金品の提供、接待を禁じる公正競争規約違反件数が09年度は、前年度より15件増え、17件だったことが5月20日、医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(メーカー公取協)のまとめで分かった。接待に絡むもの多かった。近年は1桁で推移しており、急増したのは埋もれていた事案が上がってきたとの見方があるが、それだけ関係者間の目が厳しくなっているともいえそうだ。

これは20日のメーカー公取協総会に報告された。違反事例としては、「3社が医療担当者を対象に納涼会の飲食費(各社均等額)を提供した」「3医療機関の多数の医療関係者を対象に『日頃のMR活動の御礼』と称して、飲食代を提供した」「医療担当者を対象に、割烹店で開催した自社医薬品説目会が会場としてふさわしくない」「公務員を含む医療担当者を衣装に、『釣り仲間の納竿会』と称して、飲食代及びタクシー代を提供した――といったものが挙がっている。

同公取協が09年夏に行った公競規に対するMR意識調査では、公競規に対しては十分持っていたが、それでも違反があとを絶たないのは「医療担当者の要求を断れなかった」「営業的プレッシャーで、ついやってしまった」「他社もやっている」ことが、3大理由だという。

総会に来賓として出席した厚生労働省の日下田敏彦主席流通指導官は「違反事例ゼロを目指して、規約遵守に向け一歩進んだ取り組みをお願いしたい」と対応を求めた。

この日、メーカー公取協の新会長に就任した庄田隆氏(第一三共社長)は就任のあいさつで、製薬企業から医師への寄付や金品の提供について国内外でルール化される動きに触れ「製薬企業と医療機関の先生方との関係が、患者さんや消費者の方の目から見てどう映るのかを常に意識した行動が必要になっている」と述べ、業界慣行を含め点検する必要性を指摘。製薬企業と医療担当者とは「新たな関係構築が求められていると思う」と話した。

前会長の竹中登一氏(アステラス製薬会長)もあいさつで、新薬創出加算の実施で販売や流通も「仕切価制導入以来の大きな変化に直面している」中で、「医師や薬剤師に不当な景品などを提供することで医薬品の購入を誘因するようなことがあると、私たちの流通改善の姿勢にステークホルダーから強い疑念を招くことになる」と指摘。「公正競争規約の厳正なる運用を改めてお願いしたい」と述べた。

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