英国立臨床評価研究所(NICE)は、慢性骨髄性白血病治療薬のタシグナ(一般名:ニロチニブ)、スプリセル(一般名:ダサチニブ)の2剤について、NHS(国民保健サービス)下でのグリベック(一般名:イマチニブ)不耐容慢性骨髄性白血病患者への使用を推奨しないとした。
この理由として、▽臨床効果を裏付けるエビデンスが十分でない▽薬価が高い――ことを挙げている。
NICEの試算によれば、年間薬剤費はスプリセルで3万477ポンド、タシグナで3万1711ポンド。適切な治療期間を検討した明確なエビデンスが十分でないことなどから、この薬価に基づき費用対効果分析をすると、1QALY(生活の質調整生存年数)当たり、両剤は10万ポンド以上のコストで、NICEガイダンスの上限3万ドルを大きく超えることが分かった。
NICEは、2剤の使用を可能にするためには、UCBの関節リウマチ治療薬Cimzia(certolizmab)と同様、製薬企業が薬剤費の一部を負担する仕組みを活用することを求めている。
(The Pink Sheet 2月15日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから