2008年に米国でもっとも処方された医薬品トップ50が米国退職者協会のニュースレターに掲載された（出典；AARP Bulletin , October 2009）。

処方薬にかかる医療費は、米国の医療費総額の10％を占めていると言われるが、最近になって高齢者のための公的医療保険Medicareが処方せん薬の費用をカバーするようになったため、ますます注目が集まっている。

いわゆるブランド薬は処方せん枚数でみると50位までの医薬品の処方せん枚数全体の22％を占めるが、その経費は高く、50位までの医薬品の売り上げ総額$53.2Mのうちの62%を占める。

今日では医療費削減の経済的なプレッシャーは医療関係者全員にかかっているが、処方箋薬に関しては保険会社がグループ医療機関の医師に積極的にコンタクトし、できるだけジェネリックにシフトするよう示唆しているようだ。

カリフォルニア州サンノゼ市のある開業医は筆者の取材に応え、トップ50の処方箋薬で10位以内に入っているブランド薬Lipitorについて、「高い上にジェネリックがないため保険会社に不評で、これを処方するとほとんどの場合保険会社が接触してくる」と述べ、「同種の医薬品でジェネリックのあるもの、たとえばSimvastatinを処方するようにとアドバイス（？）される」と苦笑しつつ語った。（メディカル　ジャーナリスト　西村由美子）