ファイザー日本法人 08年度医療用薬事業が2%の減収
公開日時 2009/03/03 23:00
ファイザー日本法人が3月3日に発表した08年度(07年12月~08年11月)業績
は、降圧薬のノルバスク(一般名:アムロジピン)の後発品の影響などで医療
用薬事業の売上高が4121億2600万円で2%の減収となった。医療用薬事業の減
収は「ここ10年では初めて」(岩崎博充社長)という。
アニマルヘルス事業など含めた全社の売上高は4395億1200万円で0.7%増にと
どまった。09年度は同社は4~5つの新製品の承認取得を予定しているが、同
日会見した岩崎社長は「08年度の数字より落とさないように頑張りたい」と述
べるにとどまった。
ノルバスクの後発品登場による影響については「想定内」とし、数値は明らか
にしていない。09年度の新製品としては、1月に新規抗HIV薬シーエルセント
リを発売、同月に単回投与製剤のジスロマックSRの承認を取得している。また、
08年度は緑内障・高眼圧症治療薬としてラタノプロストとチモロールの配合剤、
帯状疱疹後神経痛治療薬プレガバリンを承認申請している。
米本社による米ワイスの買収を受けた日本の事業方針については岩崎社長は同
日の会見で、法的な統合は第4四半期の始めといわれていることを挙げ、明確
になるのは「第4四半期以降となる」との見方を示した。また、買収の発表に
伴い表明されたコスト削減については「日本(法人)にどれくらい期待してい
るとか一切、連絡は来ていない」と話した。
そのほか米国内の医師、研究者らへ提供した講演料や研究費などについて10年
初頭にもウェブサイト上に公表するとの米ファイザーの方針について、岩崎社
長は日本法人も「行わざるを得ない」との認識を示した。