ＭＲのＮ君は結婚して４年目の夏の終わり、息子の健太郎君も一歳を過ぎ、漸く歩き始めたところである。上司からは、毎日のように「あの資料を出せ」、「この資料を作れ」と指示が出され、家に帰るといつも健太郎の寝顔を見るのが常であった。

ＭＲのＯ君は今年でＭＲになって3年目の夏を終えた。いよいよ秋の気配を感じ、後半の目標に向ってスタートを切った。そんなある日、支店長から「Ｏ君計画は出来ているのかね」と聞かれた。Ｏ君は「毎週行動計画はキチンと出していますが・・・？」と応えた。

ＭＲの食事時間は一般的なサラリーマンと比べるとかなり不規則だ。一般的にはお昼休みの時間に昼食を摂るのは当たり前であるが、ＭＲの場合この時間はドル箱的時間帯なのである。

ＭＲのU嬢は今年で四年目の夏を迎えた。来る日も来る日も１００ｋｍ近い移動距離を運転し、訪問を繰り返しているが、一向に営業成績は上がらなかった。挫折しそうになる日が何日も続き、MＲという仕事は、自分には向いていないのかも知れないと思い、何度も会社を辞めようかと思った。

ＭＲのＹ君は会社に就職して約8年の歳月が流れ、先日高校の同窓会があり、久しぶりに郷里に帰って同窓会に出席してみた。

ＭＲのＡ君は会社から届いた印刷物を車のトランクに入れようと、いつものようにヒョッと印刷物を持ち上げたとき、腰に激痛が走った。その痛みは「ギャー」と叫びたくなるような痛みで、一瞬何が起こったか分からずその場にかがみこんだ。

最初に今回の未曾有の「東北・関東大震災」に会われた方に心よりお見舞い申し上げますと共に、亡くなられた多くの方々に哀悼の意を奉げます。今回の震災は日本人の誰もが経験したことのない、国家の存亡を揺るがす大災害でございました。元来ＭＲは医療従事者の一員として、生命関連商品である医療用医薬品を扱っているわけであり、このような大災害時には、自社の医薬品を投与されている患者さん達が無事であるかが、一番気にかかるところであり、安定供給が出来る否かが心配の種であります。

最近ＭＲから会社で教わったことが現場で役に立たないという話しを良く耳にする。

通常ＭＲは同じエリアを3年から5年担当している。稀には同じ地域を何十年の担当している者も居ないわけではないが、一般的には3～5年で転勤して、次の地域へ移っていく。