シロスタゾール 男性、高齢者、高血圧、ラクナ梗塞患者で特に効果示す (2/2)
公開日時 2011/03/09 04:00
患者特性、コストを考慮した治療薬の選択を
国家公務員共済組合連合会 立川病院 院長 篠原幸人氏に聞く
CSPS2はCASISPに比べ、患者数も4倍で長期間なので、2つの試験を単純に比較するのは難しいと考えています。糖尿病や脂質異常症の合併率は日本人で高いにも関わらず、脳梗塞発症率が中国人で高い点は面白い点だと思いました。恐らく、日本の先生方がこれらの合併症を適切な薬剤で上手くコントロールされていた結果と抗血小板薬以外の薬剤の効果でしょう。
今回の併合解析では、シロスタゾールの特徴である、男性、高血圧、高齢者で効果が高く、ラクナ梗塞患者に投与しても出血性合併症が少ない――という傾向がCSPS2単独の結果よりも強く出ています。
ただ、シロスタゾールは薬価がアスピリンよりもかなり高額ですので、すべての患者さんに服用すべき、というものではないと考えています。
女性や若年者ではアスピリンとシロスタゾールの2群間に差はみられていませんから、これらの脳梗塞患者さんではアスピリンで十分ではないでしょうか。患者さんの特性に応じた抗血小板薬の使いわけの一部が今回の解析で示せたのではないかと考えています。