第一三共のニモツズマブ 胃がん・肺がんで国内P3開始 18年申請予定
公開日時 2013/04/26 05:01
第一三共は4月25日、肺扁平上皮がんと胃がんの患者を対象として、組換えヒト化IgG1モノクローナル抗体ニモツズマブ(開発コード:DE-766)のフェーズ3試験を日本で開始すると発表した。試験終了は、肺がんが2021年(最終登録後5年間追跡)、胃がんが18年と見込んでいるが、申請時期はいずれも18年を予定している。
ニモツズマブはキューバのCIMAB社で創製されたEGFRを標的とする分子標的薬で、第一三共は2006年に同薬の開発・販売権をCIMAB社とCIMYM BioSciences社(カナダ)から取得した。同剤は、中国やインドを含む海外20カ国において頭頸部がん、悪性脳腫瘍、食道がんの治療薬として承認済み。
切除不能な局所進行肺扁平上皮がん患者を対象とする国内P3では、一次治療としてのニモツズマブの有効性を検証する。ニモツズマブと同時化学放射線療法、およびプラセボと同時化学放射線療法を比較する二重盲検ランダム化プラセボ対照並行群間比較試験を行い、主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)と安全性を評価する。国内約60施設で実施し、約420例の登録を予定している。
EGFR過剰発現の進行・再発胃がん、および胃食道接合部がん患者を対象とするP3(ENRICH試験)では、二次治療におけるニモツズマブの有効性を検証する。ニモツズマブ・イリノテカン併用群とイリノテカン単剤群を比較する非盲検無作為化比較試験として実施し、主要評価項目でOS、副次評価項目でPFSと安全性を評価する。日本と韓国の約40施設が参加し、400例程度を登録する。韓国ではKuhnil Pharmaceutical 社が開発にあたる。
なお、ENRICH試験では、ニモツズマブ400mgが静注で週1回投与されるレジメンとなっている。その他のがん種への開発としては、食道がんがP1の段階にある。