アステラス 下痢型IBS治療薬イリボー錠の口腔内崩壊錠を国内申請
公開日時 2012/08/09 04:00
アステラス製薬は8月8日、下痢型過敏性腸症候群治療薬イリボー錠(一般名:ラモセトロン塩酸塩)の口腔内崩壊錠を同日付で国内承認申請したと発表した。口腔内崩壊錠は水なしでも服用可能なため、特に高齢者や嚥下機能が低下した患者、水分摂取を控えている患者などに有用で、同社は「患者の服薬時の利便性向上が期待できる」としている。
今回申請したイリボー錠の口腔内崩壊錠は同社の製剤技術を適用しており、同技術を適用した他の製品には消化性潰瘍・胃炎治療薬ガスターD錠、前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬ハルナールD錠、過活動膀胱治療薬ベシケアD錠――がある。
イリボー錠は同社が創製したセロトニン5-HT3受容体拮抗薬。セロトニンは神経伝達物質のひとつで消化管の運動に大きく関係する。ストレスなどによって遊離が促進されたセロトニンが腸管神経に存在する5-HT3受容体を活性化することで消化管運動を亢進させ、便通異常を引き起こす。また、腸が受けた刺激によってもセロトニンが遊離し、求心性神経終末の5-HT3受容体に結合することで脳に痛みを伝える。イリボー錠は5-HT3受容体を選択的に阻害することで消化管運動亢進に伴う便通異常(下痢・排便亢進)を改善するとともに、大腸痛覚伝達を抑制し、腹痛及び内臓知覚過敏を改善する。