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アッヴィ 経口BCL-2阻害薬・ベネクレクスタ 未治療のCLL・SLLの適応追加を一変申請

公開日時 2024/12/23 04:49
アッヴィは12月20日、経口BCL-2阻害薬・ベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス)について、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL、小リンパ球性リンパ腫(SLL)を含む)の適応追加を一変申請したと発表した。同剤は2019年9月に再発又は難治性のCLL(SLLを含む)の適応で承認されている。

同剤はBCL-2と呼ばれる体内の特定タンパク質を標的とする経口BCL-2阻害薬。いくつかの血液がんでは、BCL-2がアポトーシスと呼ばれるがん細胞の自然死や自己破壊の過程を阻止する。同剤はBCL-2タンパク質を標的とし、がん細胞により失われたアポトーシスの過程を回復させる作用がある。

今回の申請は未治療のCLL及びSLL患者を対象とする国内第2相試験(M20-353)、海外第3相試験(BO25323およびCLL3011)などの結果に基づく。

M20-353試験は未治療のCLL及びSLLの日本人患者20人を対象に、ベネトクラクス及びヒト抗CD20モノクローナル抗体・オビヌツズマブ、またはベネトクラクス及びBTK阻害薬・イブルチニブの併用投与による安全性及び有効性を評価した試験。BO25323試験は未治療のCLL患者432人を対象に、ベネトクラクス及びオビヌツズマブの併用投与の安全性、および有効性をオビヌツズマブとchlorambucilの併用投与と比較した試験。

未治療CLL患者に対する既存の治療法は、長期間にわたる投与が必要で、毒性や疾患の進行、服薬遵守が課題となり、治療継続が困難な場合がある。しかし、海外と比較して日本では一次治療の適応をもつ治療薬は限定されている。このような背景から同社は、「未治療のCLLおよびSLLの患者さんに対して、長期的な臨床転帰の改善を固定投与期間で示すことができる新たな治療選択肢へのアンメットニーズがあると考えられる」としている。

CLLは、欧米では最も多く見られる白血病で、成人の白血病全体の約30%を占める。一方、日本のCLLの推定総患者数は約6000人と報告されており、日本では患者数の少ない稀な疾患。予後不良のリスクが高い患者においては、遺伝的要因を有する患者が含まれる。SLLは、末梢血や骨髄への浸潤がないCLLと同一の細胞の腫瘍と定義され、多くは緩徐な経過を示すが、一部に進行が速く予後不良なものがみられる。
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