SCSK 大阪エリアのがん診療連携拠点病院と地域医療機関 DXソリューション用いた連携効率化で共同研究
公開日時 2024/08/28 04:50
SCSKは8月27日、同社が開発した医療機関向けDXソリューション「Dr2GO」を活用して、大阪エリアの複数医療機関とがん患者の地域医療連携効率化に向けた共同研究を開始したと発表した。共同研究に参加するのは、大阪国際がんセンター、LIGARE血液内科太田クリニック・心斎橋、大阪公立大学医学部附属病院の各医療機関。Dr2GO を活用した地域医療連携プラットフォームを構築し、紹介元のがん診療連携拠点病院から紹介先の地域医療機関に対する患者の紹介相談、地域連携パスの共有、治療経過の共有や「チャットによる治療相談」をデジタルで行い、がん診療連携拠点病院と地域医療機関の連携の有用性を検証する。
「Dr2GO」は、チーム診療の支援や地域医療連携、情報検索の効率化など医療従事者の働き方改革を実現するソリューションとして開発された。製薬企業を含むヘルスケア企業との連携も視野に入れており、医薬品情報の提供や提供情報の評価などのサービスも含まれている。
◎「紹介先を探す時間の削減効果」や「医師間における電話による業務中断」の削減など
今回の共同研究は、Dr2GO を活用し、がん診療連携拠点病院を含む基幹病院と地域医療機関の連携体制を構築し、サービスソリューションの有用性を評価することが目的。具体的には、患者の紹介先候補の検索・提案機能により、「紹介先を探す時間の削減効果」を検証する。また、紹介先候補への紹介打診機能や、打診時に作成される患者・紹介先候補ごとのチャット機能を活用し、「医師間における電話による業務中断を減らす」など、時間の有効活用や、チャット機能による紹介後の相談活用の利便性などを評価する。
このほか、地域連携パスの共有機能により、従来の紙やFAXでの運用をデジタル化し、医療機関の医師、医療従事者間における患者情報の共有の効率性を高めたい狙いも含まれる。
研究の流れは、大阪国際がんセンターおよび大阪公立大学医学部附属病院で受診後に LIGARE 血液内科太田クリニック・心斎橋に紹介する血液がん患者を対象に、紹介元(がん診療連携拠点病院)から紹介先(地域医療機関)に対する患者の「紹介相談」や「地域連携パスの共有」、紹介先から紹介元に対する「治療経過の共有」や「チャットによる治療相談」を全てデジタル化する。
こうした取り組みを通じ、がん診療連携拠点病院は急性期医療に集中する一方でLIGARE 血液内科太田クリニック・心斎橋などの地域医療機関は、がん診療連携拠点病院から紹介してくる患者の診療情報を「がん診療地域医療連携プラットフォーム」を通じ、タイムリーに確認できる。また、地域における包括的かつ効率的な医療体制を構築し、全年齢層の患者がどの病院でも質の高い医療が受けられるといったより良いがん治療環境が可能になるとしている。