AMED/MEDISO アクセラレーションピッチ開催 ベンチャー9社登壇 VCと実用化・事業推進で質疑も
公開日時 2023/10/12 04:49
日本医療研究開発機構(AMED)とMEDISOは10月11日、横浜市で開催された「ジャパン ヘルスケア ベンチャーサミット2023」(JHVS)でAMEDアクセラレーションピッチを開催した。シーズピッチにはベンチャー9社が登壇。それぞれからシーズの開発状況が報告された後に、AMED認定のVC(ベンチャーキャピタル)からシーズの実用化・事業推進に向けたアドバイスやコメントが発せられた。VCとの質疑では、コスト面の工夫や開発プロセス、特許取得、生産上の課題、さらには国内外含む製薬企業との提携の可能性やIPOなどに及んだ。
経済産業省の下田裕和生物化学産業課長は冒頭のあいさつで、「スタートアップの環境をなんとか変えたいとして厚労、経産、文科の3省が一体となって取り組んでいる。ただ、ステージごとにまだまだ課題がある。一つひとつ取り組みながら日本にエコシステムを作っていきたい」と強調。「この肝になるのがグローバルとの接続だ。世界の患者に届けて大きくイグジットするというところを一緒に描いていければいいかと思う」と述べた。
シーズピッチの登壇者は次の通り。①熊本大学/StapleBio(日本発技術であるStaple核酸を利用した遺伝子発現制御法について)、②藤田医科大学/FerroptoCure(新規標的分子を用いたフェロトーシス誘導性抗がん剤の開発)、③Chordia Therapeutics(RNA制御ストレスを標的とした抗がん薬の開発)、④セレイドセラピューティクス(「細胞で未来を変える 」ヒト造血幹細胞の体外増幅技術を用いた細胞治療製品の開発)、⑤リィエイル(採血のみで実施できる低侵襲・高効果な血管・組織再生治療の開発)、⑥PuREC(細胞移植治療の未来を切り開く高純度間葉系幹細胞REC(Rapidly Expanding Cells))、⑦社凜研究所(TMEM180を高発現する大腸がんに有効な新規ヒト化抗TMEM180抗体の開発)、⑧メトセラ(心臓内幹細胞を用いた小児先天性心疾患患者に対する治療法の開発)、⑨C4U(新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3)-。3団体ごとに持ち時間3分のプレゼンと応援演説を行い、その後にモデレーターやVCとの質疑に臨んだ。
ピッチ終了後に講評を行ったAMEDの三浦明理事は、「ビジネス目線でそれぞれにコメントを頂けたのは参考になったのではないか」と強調。「来年以降も開催の方向で具体的に進めていきたい」と述べた。