アステラス製薬 米・Cullgen社と革新的なタンパク質分解誘導剤創出で戦略提携 ポートフォリオ拡大へ
公開日時 2023/06/16 04:50
アステラス製薬は6月15日、米国・Cullgen Inc.(本社:米国カリフォルニア州)と革新的なタンパク質分解誘導剤創出に向けた共同研究および独占的オプション契約を締結したと発表した。アステラス製薬の創薬ケイパビリティを融合し、複数のタンパク質分解誘導剤の創出を目指す。また、Cullgen社と共同研究を行い、アステラス製薬は開発および商業化を担う。契約締結に際し、アステラス製薬は契約一時金として Cullgen社に3500万米ドルを支払う。また、リードプログラムに関するライセンスオプションを行使した場合に8500万米ドル、ライセンスオプションとプログラムの進捗に応じたマイルストンとして最大19億米ドルと製品の売上に応じたロイヤルティーを Cullgen 社に支払う可能性がある。
同社の研究開発戦略である「Focus Areaアプローチ」には、特に注力するPrimary Focus の一つに「標的タンパク質分解誘導」を掲げている。今回の契約締結に伴い、両社は、新規E3リガンドを活用したCullgen社独自の技術プラットフォーム uSMITETMとアステラス製薬の創薬ケイパビリティを融合し、複数のタンパク質分解誘導剤の創出し、共同開発を経て商業化を目指す。一方、Cullgen 社は、乳がんやその他固形がんを対象に同社が同定したリードプログラムである細胞周期タンパク質に対する分解誘導剤候補化合物の米国内での開発に伴う費用と得られた利益を両社で折半し、製品化された場合にコ・プロモーションする権利を有した。
アステラス製薬のAdam Pearson・経営戦略担当 CStO(Chief Strategy Officer)は、「今回の提携を受け、両社の最先端の研究がもたらす相乗効果によって、アステラス製薬のポートフォリオを拡大し、アンメットメディカルニーズの高い疾患のための新たな治療法開発につながるものと確信している」と強調した。Cullgen社のYing Luo・President and CEO は、「我々が自社で見出した新規E3リガンドを活用し、アステラス製薬と共同研究を開始できることを嬉しく思う。複数の標的タンパク質分解剤を臨床開発に進められることを楽しみにしている」とコメントした。