長生堂製薬は5月24日、安定性試験結果の処理に不適切な取り扱いがあったとし、アズクレニンS配合顆粒など8品目について自主回収（クラスⅡ）すると発表した。当該製品の安定性モニタリングにおいて、定量試験が承認規格に適合しない結果が得られたロットが確認されたとしており、同日から当該ロットの自主回収を開始した。今回の事態を受け同社は、外部の弁護士および医薬品GMPの専門家を加えた「特別調査委員会」を立ち上げたことを発表した。

【自主回収の対象となる製品と回収理由は以下の通り】
・アズクレニン S 配合顆粒　バラ1㎏
安定性モニタリングで定量試験が承認規格に適合しない結果が得られたロットを確認　
・スプラタストトシル酸塩カプセル 50mg「JG」PTP100 カプセル
安定性モニタリングで純度試験（類縁物質）で承認規格に適合しない結果が得られたロットを確認
・ニソルジピン錠 10mg「JG」PTP 100 錠
安定性モニタリングで溶出試験が承認規格に適合しない結果が得られたロットを確認
・ボグリボース錠 0.2mg「JG」PTP 100 錠、PTP 1000 錠
安定性モニタリングで定量試験が承認規格に適合しない結果が得られたロットを確認
・ボグリボース錠 0.3mg「JG」PTP 100 錠、PTP 1000 錠
安定性モニタリングで定量試験が承認規格に適合しない結果が得られたロットを確認
・メトプロロール酒石酸塩錠 40mg「JG」PTP 100 錠
安定性モニタリングで溶出試験が承認規格に適合しない結果が得られたロットを確認
・ロキシスロマイシン錠 150mg「JG」PTP 100 錠、PTP 500 錠
安定性モニタリングで溶出試験が承認規格に適合しない結果が得られたロットを確認
・ロラタジン DS１%「JG」0.5g×120 包
安定性モニタリングで定量試験が承認規格に適合しない結果が得られたロットを確認
　※製造番号(PTP 刻印番号) 使用期限については長生堂製薬のHPをご参照ください。
https://www.choseido.com/news/pdf/210524_2.pdf

◎長生堂製薬・原田社長「再発防止に向けて全社一丸となって取り組む」

長生堂製薬の原田秀昭社長は同日、「重要なお知らせ」と題する文書を公表した。文書では「患者様、医療関係者の皆様、関係するあらゆる皆様に、多大なるご心配とご迷惑をお掛けしておりますことを、心より深くお詫び申し上げます」と謝罪。特別調査委員会において、全工場における製造管理および品質管理について、徹底した調査を進めていることを報告した上で、「皆様に信頼いただける製品をお届けできるよう、特別調査委員会による調査結果を踏まえ、再発防止に向けて、全社一丸となって取り組む所存です」とコメントした。

◎東和薬品、武田テバ薬品、沢井製薬、日医工等の製品も自主回収

長生堂製薬への製造委託品も自主回収（クラスⅡ）の対象となった。アロチノロール塩酸塩については、東和薬品、日本ジェネリック、武田テバ薬品、沢井製薬、日医工の製品もそれぞれ自主回収の対象となった。自主回収の該当品目の出荷時期については、2018年９月以降というものも含まれている。このほかに、日本ジェネリックのアリピプラゾール錠３ｍｇ「ＪＧ」も含まれる。

【自主回収品は以下の通り】
・東和薬品　アロチノロール塩酸塩錠５ｍｇ「トーワ」　PTP100錠
　※出荷時期が2018年10月11日以降の8ロット　3万5422箱
・日本ジェネリック　アロチノロール塩酸塩錠５ｍｇ「ＪＧ」PTP包装　100錠
　※出荷時期が2018年11月2日以降の該当品
・日本ジェネリック　アロチノロール塩酸塩錠５ｍｇ「ＪＧ」PTP包装　500錠
　※出荷時期が2019年1月10日以降の該当品
・武田テバ薬品　アロチノロール塩酸塩錠5mg「テバ」PTP100
　※出荷時期が2019年2月13日以降の該当品
・沢井製薬　アロチノロール塩酸塩錠５ｍｇ「サワイ」
　※出荷時期が2018年9月10日以降の該当品
・アロチノロール塩酸塩錠５ｍｇ「日医工」PTP100
　※出荷時期が2018年以降の該当品
・日本ジェネリック　アリピプラゾール錠３ｍｇ「ＪＧ」500錠バラ品
　出荷時期が2019年01月04日～2019年10月04日
・日本ジェネリック　アリピプラゾール錠３ｍｇ「ＪＧ」100錠　PTP包装
　出荷時期が2019年08月01日～2019年12月23日