サノフィ ポンペ病の酵素補充療法製剤avalglucosidase alfaを承認申請 「標準治療となる可能性」
公開日時 2021/01/20 04:50
サノフィは1月19日、ポンペ病(酸性α-グルコシダーゼ欠損症)に対する酵素補充療法製剤avalglucosidase alfa(国際一般名)を日本で承認申請した。厚労省から希少疾病用医薬品に指定されている。同社は、「承認が得られた場合、ポンペ病の新たな標準治療となる可能性がある」としている。
ポンペ病は稀な進行性の筋疾患。ライソゾーム酵素のひとつである酸性α-グルコシダーゼ(GAA)の遺伝子の欠損または活性低下が原因で生じ、複合多糖(グリコーゲン)が全身の筋肉内に蓄積する。グリコーゲンの蓄積は不可逆的な筋損傷を引き起こし、肺を支える横隔膜などの呼吸筋や、運動機能に必要な骨格筋に影響が及ぶ。
ポンペ病で生じるグリコーゲンの蓄積を低下させるには、筋細胞の中にあるライソゾームに GAA酵素を送り届ける必要がある。同社は、筋細胞内のライソゾームに GAA を送り届ける効率を高めるための手段として、GAAの輸送に大きな役割を果たすマンノース6リン酸(M6P)受容体を標的とする研究を行ってきた。
avalglucosidase alfaは、アルグルコシダーゼ アルファと比較してM6Pレベルを約15倍増加させた分子として設計し、細胞内への酵素の取り込みを向上させ、標的組織において高いグリコーゲン除去効果を得る目的で開発された。同剤により、ポンペ病がもたらす重大な症状である呼吸機能、筋力・身体機能の低下を阻止する。