楽天メディカル MDアンダーソンと提携 ASP-1929の開発を加速
公開日時 2020/06/08 04:50
楽天メディカル社は6月5日、米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターと、新たながん治療に向けた共同開発を目的とした戦略的アライアンス契約を締結したと発表した。光免疫療法で、頭頚部がんを対象として開発中のASP-1929(一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム)について、試験デザインや併用療法、対照患層などを協議し、開発加速を目指す。これを皮切りに、光免疫療法に基づく治療基盤である「イルミノックスTMプラットフォーム」を発展させたい考えだ。
ASP-1929は、上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とするモノクローナル抗体であるセツキシマブに色素IRDye700DX が結合した抗体複合体。頭頚部がんなどに発現するEGFRに結合後、レーザ機器を用いた非熱性赤色光の照射により局所的に活性化する。これにより、標的の細胞膜を破壊し、標的細胞を選択的に壊死させることが期待される。同社によると、ASP-1929の頭頚部がんに関する臨床第3相試験は18年12月から実施しており、国立がん研究センターなど、欧米やアジアの10か国のがん研究センターが参加している。なお、ASP-1929は、イルミノックスTMプラットフォームに基づく最初の開発品という。