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中外製薬 シンガポール科学技術研究庁とCOVID-19の抗体医薬で共同研究スタート

公開日時 2020/05/11 04:50
中外製薬は5月8日、在シンガポール研究拠点である中外ファーマボディ・リサーチ(CPR)がシンガポール科学技術研究庁(A*STAR)と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗体医薬品の共同研究を開始したと発表した。A*STARの関連機関であるシンガポール免疫学ネットワーク(SIgN)で見出されたCOVID-19の治療薬候補となりうる抗体の最適化を進め、CRPの抗体エンジニアリング技術を適用することで、開発候補抗体を作製する。

CPRは中外製薬の完全子会社として、2012年1月にシンガポールで設立された。中外製薬が独自に開発した革新的な抗体エンジニアリング技術の「リサイクリング抗体」、「スイーピング抗体」、「スイッチ抗体」などを活用し、ファースト・イン・クラス、ベスト・イン・クラスの医薬品創製に向け、様々な標的に対する抗体医薬品の研究を進めている。

一方、A*STARはシンガポールの公的研究開発機関。オープンイノベーションを通じ、アカデミアと産業界の架け橋となっている。COVID-19の治療薬候補となりうる抗体を見出したシンガポール免疫学ネットワーク(SIgN)は、医療機関および産業界と協働し、研究成果の臨床的、経済的応用に注力している。リード抗体は多様性の高い人工ヒト抗体ライブラリから取得されており、COVID-19を引き起こすコロナウイルスに対する中和能を示している。

A*STAR生物医学研究評議会アシスタントチーフエグゼクティブのNg Huck Hui教授は、「A*STARの免疫学およびトランスレーショナルリサーチにおける能力と中外製薬の革新的医薬品に対する専門性を活かし、私たちとのコラボレーションの歴史にまた新たなパートナーシップが加わる」と述べた。
中外製薬の奥田修代表取締役社長 COOは、「抗体研究は我々のイノベーション追求における柱であり、これまで革新的医薬品や独自の創薬技術を生み出した」と強調。「A*STARと共に一刻も早く臨床応用への可能性を拓くことを目指したい」と述べた。

なお、A*STARと中外製薬は公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)の助成の下、これまでにデング熱に対する共同研究プロジェクトを実施している。



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