アンジェス 田辺三菱から販売予定のHGF遺伝子治療用製品の発売時期延期を発表
公開日時 2019/05/15 03:51
アンジェスは5月14日、同社が開発・製造するHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン筋注用 4mg」(一般的名称ベペルミノゲン ペルプラスミド)について、販売開始時期を延期すると発表した。同製品は、再生医療等製品として条件期限付承認を取得し、田辺三菱製薬から販売する予定で準備が進められていた。アンジェス側は、「販売の開始に向けて鋭意対応を進めてきたが、販売準備に時間を要しており販売開始を延期することになった」と説明している。
同社は、HGF遺伝子治療用製品の開発を会社設立以来の主力プロジェクトとして進めてきた。3月26日には「標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)における潰瘍の改善」を効能・効果又は性能として条件期限付承認を取得した。同剤は、重症化した慢性動脈閉塞症の知識や治療経験を持つ専門医のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施する施設に限定して使用するなどの承認条件がついている。期限は承認のあった日から5年間。
アンジェスと田辺三菱製薬は、2015年6月にHGF遺伝子治療用製品の販売に関し、日本国内における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結しており、田辺三菱製薬が販売並びに医療機関への情報提供活動、使用成績比較調査(製造販売後承認条件評価)を実施することになっている。一方、アンジェス側は、販売開始後の売上高に応じた一定の対価を田辺三菱から受領する。また、2012年10月に両社は、米国における末梢性血管疾患を対象とした本品の独占的販売権許諾契約を締結していた。
アンジェス側は今回の販売開始時期の延期に伴う業績影響について、「他の要素も含め現在精査中」とし、業績予想の修正が必要な場合は速やかに開示するとしている。