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実務薬学総合研究所など Pepper向けアプリ「薬立っぺ」開発 薬局での待ち時間を快適に

公開日時 2016/05/10 03:50

人間型ロボットPepperを活用して、薬局での待ち時間を快適に過ごしてもらうとともに、患者の薬への理解を深めてもらおうーー。実務薬学総合研究所とジャパンコミュニケーションが開発したPepper向けアプリ「薬立っぺ」は、Pepperを通じて季節の健康トピックスを提供し、薬局経営の課題のひとつである“待ち時間”の問題克服を目指す。Pepperは受付機能やデジタルサイネージなどでの活用が進む一方で、ヘルスケア領域での活用はまだ例が少ない中で、今後の展開も注目されるところだ。

「いま使っている薬を正しく伝えていますか?」——。患者が人間型ロボットPepperの呼びかけに反応し、コンテンツを選択すると、流れるのは動画やスライドを通じた薬の解説だ。「吸入薬」を選択すると、決められた時間や回数での服薬の重要性や、鼻をかんでから吸入することの重要性などをPepperが説明。説明後には、ランダムなクイズも設けることで、患者の理解定着もうながす。この間、約3分程度。待ち時間に患者に健康情報に触れてもらう学びの時間を作ることで、患者が苦痛に感じる待ち時間を“心地よい時間”に変えることを狙う。「細かい説明や質問は薬剤師に聞いてね」との一言も。その後に行われる薬剤師の服薬指導へと効果的に結びつくことも期待される。

アプリは現在コンテンツとして、手洗い、うがい、吸入薬の3本を冬季用に揃えた。夏季は虫刺され用の外用薬や熱中症、秋季はインフルエンザなど、季節ごとに3本、4シーズンで12コンテンツを提供する。これを基本機能とし、オプションとして、薬局での状況に応じて薬局や薬のあれこれをQ&A形式にまとめて確認する“薬局あれこれ”や、ユーザー独自コンテンツの作成、薬局の状況や患者層に合わせた自由なコンテンツ作成も可能だ。ユーザー独自コンテンツとしては、電子お薬手帳の説明や、かかりつけ薬剤師のプロフィール紹介などを想定する。

実務薬学総合研究所の伊集院一成代表取締役社長は5月9日の記者会見で、現在薬剤師が行う対人業務をすべてPepperに置き換えるわけではないと断った上で、「知識の提供はロボットが行い、それを統合するのが薬剤師の仕事。その第一段階がアプリだ」と述べた。その上で、「新たな患者の獲得ではなく、いまある患者さんにどうやってかかわっていこうかということ。快適に薬局にいてもらう、知識を身に着けてもらう」ことを製品の特徴として説明した。

開発に携わった同社システム事業部の水八寿裕氏は、「薬局とともに育てる“共育”するアプリにしていきたい」と話し、今後はQAデータを人工知能(Ai)と連動させることで質の高いサービスを実現したい考えも示した。今後は、3000薬局での導入を目指す。

 

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