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厚労省・安全対策調査会 エパデールTの第一類医薬品への移行を了承 

公開日時 2019/04/03 03:50

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会は4月2日、エパデールT(イコサペント酸エチル)の第一類医薬品への移行を了承した。同製品は、医療用医薬品からスイッチ化され、要指導医薬品に位置付けられており、一般用医薬品への移行の可否が議論となっていた。日本医師会は生活習慣病のスイッチOTC化に一貫して反対の姿勢を示しており、この日もこの姿勢を崩さなかったが、「苦渋の選択」として容認。添付文書に食事・運動療法など生活習慣の改善の必要性に加え、薬剤師や登録販売者を通じた受診勧奨を盛り込み、販売条件を厳格にし、適正な販売を実現するとの条件で決着した。

医療用医薬品からスイッチ化されたOTCについては、販売開始から原則3年間製造販売後調査を行い、一般用医薬品として販売が可能であると判断されれば、原則一般用医薬品(第1類)へと移行する。その後一年間で、一般用医薬品(第一類)を踏まえたリスク区分を評価することとなっている。有効性や安全性に課題があるなど、承認取り消し事由に該当しない限り、一般用医薬品への移行が認められることとなる。同剤も、3090例(2018年12月27日時点)に投与がなされ、安全性の問題は確認されていない。4月14日に製造販売後調査が終了することから、移行の可否を判断する期日が迫っていた。

◎日医・城守参考人「生活習慣病薬はスイッチに適さない」 反対姿勢崩さず

 日本医師会はエパデールのスイッチ化に一貫して反対の姿勢を崩していない。この日も参考人として出席した日本医師会常任理事の城守国斗氏が「生活習慣病患者はセルフコントロールが難しく、服用さえすれば治療できると誤解をうむ」と述べて反対の姿勢を強調。「生活習慣病薬はスイッチに適さないことを共有してもらえるよう要望したい」と述べた。また、要指導医薬品から一般用医薬品へ時限的に移行される制度の再検討を訴えた。法律上、承認拒否事由に該当しないことから最終的には、「苦渋の選択で認める」と容認した。ただ、「ほかの生活習慣病薬(のOTC化)を認めるということではない」とけん制する一幕もあった。

 同剤は、セルフチェックシートの活用により、薬剤師による服薬に適格な消費者の選定が求められている。乾英夫委員(日本薬剤師会副会長)は、「生活習慣病含め健康増進の講習をしている。受診勧奨も患者のために進めている」などと理解を求めた。これに対し、城守委員は薬剤師に対して、「薬剤師の適正な指導により、チャンネル増えるのはいいと思うが、生活習慣病薬の正しい理解をして対応にあたってほしい」と注文を付けた。

 
◎通知発出で販売薬局・店舗の登録やデータ管理求める
 
同剤の添付文書には、「中性脂肪異常の改善には、生活習慣の改善をあわせて行うことが大切」と大きく記載。さらに、服用後3か月後には医療機関等で血液検査を行い、中性脂肪量の改善を確認する記載を盛り込む。
 
あわせて、4月15日までに都道府県や日本薬剤師会宛に発出する通知では、すべての納入先の薬局・店舗の登録や、販売時対応データなど購入履歴の管理を求め、適正な販売を求める方針。製造販売業者に対しても、こうした措置の遵守状況を定期的に厚労省に報告するよう求める。自治体に対しても、一斉監視指導の対象として、立ち入り検査における重点確認を求めていく考え。
 
同製品のOTC薬への移行をめぐっては、3月11日の調査会で議論となり、親部会である薬食審安全対策部会の意見を踏まえたうえで、この日の決定がなされた。
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