科研 全身性強皮症及び皮膚筋炎用薬レナバサムの国内権利取得 グローバルP3実施中
公開日時 2019/01/15 03:50
科研製薬はこのほど、米コーバス社が創製した全身性強皮症及び皮膚筋炎に対する治療薬レナバサム(一般名)について、日本での開発権と独占的な販売権を取得するライセンス契約を締結したと発表した。コーバスが日本を含むグローバルフェーズ3試験を実施中で、全身性強皮症の試験は2020年3月末までに終了させる予定。科研が国内開発にどのようにかかわるかや、申請見込み時期、契約金などの詳細は開示していない。
科研は、全身性強皮症や皮膚筋炎といった難病に新たな治療選択肢を提供できると判断したほか、主力の爪白癬薬クレナフィンや褥瘡・皮膚潰瘍薬フィブラストスプレーなどで存在感を発揮している皮膚科や膠原病内科でのプレゼンス向上につなげるねらいもある。締結日は1月3日付。
レナバサムは新規の低分子の経口薬で、選択的2型カンナビノイド受容体(CB2)アゴニスト。現時点ではファーストインクラス薬となる可能性が高い。
CB2は免疫細胞、線維芽細胞、筋肉細胞、内皮系細胞で発現する。レナバサムはCB2を介して、炎症収束作用を有するメディエーターの産生を誘導することで、免疫抑制を示さず、炎症状態を正常に導く。また、レナバサムは線維芽細胞に直接作用し、細胞外マトリックスの産生を抑制することで組織の線維化を抑制するとされる。
日本では全身性強皮症のグローバルP3試験が18年6月から開始された。科研によると、皮膚筋炎を対象とした日本を含むグローバルP3試験もすでに開始しているが、詳細は現時点では開示していないという。