日本医療機能評価機構 腎排泄薬剤の処方・調剤、事前に腎機能確認を 注意呼びかけ
公開日時 2018/12/19 03:50
日本医療機能評価機構は、腎機能低下患者に薬剤を常用量投与したミスが2014年1月1日から18年10月末までに医療機関から8件報告されたとして、腎排泄薬剤の処方・調剤の際は事前に腎機能の確認することを「医療安全情報」(No.145)にまとめ、医療従事者に注意喚起した。
誤って投与された薬剤と報告件数は、抗ウイルス化学療法薬のバルトレックス錠500、バラシクロビル錠500mgの4件ほか、不整脈治療薬シベノール錠100mg、ピルシカイニド塩酸塩カプセル、経口抗菌製薬クラビット錠500mg、骨粗鬆症治療薬エディロールカプセル0.75μgの各1件。
医療安全情報では2症例紹介され、1例は、夜間に外来受診した帯状疱疹の患者にバルトレックス錠を処方する際、病歴から患者が透析を受けていることは把握していたもの。減量する必要があることを認識せず、常用量を処方したというもの。2日後、患者は呂律が緩慢になり幻視を認めたため、入院となった。
もう1例は、 医師が、患者が透析を受けていることを把握しておらず、クラビット錠500mgを継続処方。患者の嘔吐症状が強くなり、汎血球減少もみられ、クラビット錠が原因と疑われ、内服が中止となった。