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塩野義 抗インフルエンザ薬ゾフルーザ顆粒剤の承認取得 申請から約5か月で

公開日時 2018/10/16 03:51

塩野義製薬は、製造販売している抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ錠(一般名:バロキサビル マルボキシル)の新剤形となる「ゾフルーザ顆粒2%分包」の承認を取得した。顆粒剤を市場投入することで、特に幼児や嚥下困難患者の利便性が高まる。顆粒剤の薬価収載は11月中とみられる。

同社は顆粒剤を4月に承認申請し、9月14日付で承認を取得した。約5か月で承認されたことになる。

今回の用法・用量の一部変更(剤形追加)の承認は、健康成人を対象に実施した国内フェーズ1試験の成績をもとにしたもの。成人及び12歳以上の小児、ならびに12歳未満で体重20kg以上の小児に対する顆粒剤の用法・用量が追加された。

改訂後の用法・用量は、成人及び12歳以上の小児には、「20mg錠2錠又は顆粒4包(バロキサビル マルボキシルとして40mg)」を単回経口投与で用いるが、体重80kg以上の患者には、「20mg錠4錠又は顆粒8包(バロキサビル マルボキシルとして80mg)」を単回経口投与する。12歳未満で体重20kg以上の小児には、体重に応じて決められた用量を単回経口投与で用いる。

また、添付文書の使用上の注意には、「低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない」と記載した。理由は臨床試験での使用経験がないため。

■12歳未満で体重20kg未満の小児適応は申請中

同社広報部は本誌取材に、12歳未満で体重20kg未満の小児に対するゾフルーザの開発状況について、「承認申請したが、申請時期など詳細は開示していない」と説明した。

同剤は、塩野義が創製したキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬で、既存薬とは異なる新しい作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制する。経口の単回投与であることから、利便性が高く、確実なアドヒアランスが期待できる薬剤とされる。新規機序のため、耐性ウイルスが出現しても効果を発揮することも期待されている。

ゾフルーザは一定要件を満たす革新的新薬として厚労省から先駆け審査指定され、ゾフルーザ錠は申請から約4か月で承認され、そこから1か月足らずで緊急薬価収載された。厚労省は当時、「インフルエンザの特徴を考えて薬価収載を前倒しした」とし、17-18シーズンに間に合わせるため緊急収載したと説明した。

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