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メーカー公取協 臨床研究支援で公競規運用基準見直し 臨床研究法受け

公開日時 2018/05/28 03:50
医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(メーカー公取協)は5月25日、東京都内で行った通常総会で、4月に施行された臨床研究法を受け、公競規運用基準に臨床研究に対する支援のあり方を定める見直しを行ったことを公表した。製薬企業が関わる特定臨床研究で処方誘因につながる行為を制限するのが柱。
 
メーカー公取協は、医師主導臨床研究の不祥事を受け、公競規上での対応が可能かどうかを重要課題として検討。臨床研究法の成立を受けて、17年度事業計画では運用基準を見直すとしていた。見直し基準は公正取引委員会、消費者庁への届出を終え、22日付で会員会社にも通達されたという。
 
見直し内容は、事務局によると、自社医薬品を用いた特定臨床研究について▽資金提供は、寄付行為は行わず、契約を締結した上で行う▽症例収集に対する報酬や実施医療機関の選択において処方誘因につながらないようにする▽自社医薬品の無償提供は、臨床研究にのみ使用されるようにするなど管理することを条件に制限しない――が柱。見直し内容について周知に取り組むことを、同日に決めた18年度事業計画に盛り込んだ。
 
厚労省医政局の三浦明経済課長は、総会の来賓のあいさつで、医師らへの資金提供は日本製薬工業協会の透明性ガイドラインにより開示してきた取り組みに触れ、「今後も業界が一体となって、より一層高い倫理性と透明性確保に向けた取り組みの推進を期待する」と述べた。
 
新会長に手代木氏(塩野義製薬社長) 公競規運用基準見直し受け「襟を正す」
 
メーカー公取協は同日、任期満了に伴う役員改選を行い、塩野義製薬社長の手代木功氏を選出した。任期は2年。通常総会終了後の懇親会で就任あいさつをし、臨床研究法施行を受け公競規運用基準基準の見直しを行ったことについて「製薬産業の研究活動に対する社会の目に、まさに襟を正す側面があり、非常に大きなテーマとして重く受け止めている」と述べ、厳しく運用していく姿勢を示した。
 
懇親会の来賓あいさつでは、日本医師会の中川俊男副会長は、不適切な情報活動があることを指摘した上で「治療薬を必要とする患者に最適な治療を提供できるよう適切な情報提供を踏まえて販売や安定供給をお願いしたい」と述べた。日本薬剤師会の山本信夫会長は「データ、説明が不適切、公正さに欠けると、判断を誤り、患者さんに迷惑をかけ、国家財政にも影響する」と述べ、適正使用に資する活動を求めた。
 
17年度規約違反 2件に指導

通常総会では17年度の公競規違反状況の報告があり、「指導」の措置をとったのは2件だった。いずれも特定の地域での違反事例である支部事案だった。指導された違反概要は次のとおり。
 
【支部事案】
○自社医薬品の講演会終了後、役割者以外の医療担当者に対して飲食を提供し、さらに二次会も提供した。
 
○複数のクリニックにおいて、自社医薬品の説明会を午後の遅い時間に開催したにもかかわらず、昼食時前に弁当を提供した。
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